お命の持ち帰りこそ功名の種にございます。
それは金曜日の夜。
チェシャさんは終バスを逃し、やむなくもう少し遅い時間までやっている電車での帰宅を余儀なくされた。
普段は粗食のチェシャさんも、週を無事に乗り越えた微かな満足感と僅かばかりの高揚感に当てられ、深夜帯にはおよそ不向きな食糧群をコンビニで調達しての帰り道。
ほんの少しだけ降り来る雨と冷たい風に、気付けば吐く息も微かに白い。
おいおいなんだ南東北の秋は冬か。と心の中で毒づいて見せたその時、懐に収めた2つのケータイがあの不快なサウンドとともに夜の静寂(しじま)を引き裂いたのでした。
しかしながら、幸いあたりは特に騒ぎが起こっているような雰囲気はなく、チェシャさんが不躾にご近所に騒音をバラ撒いた以外には特段の被害はなかった模様。
ご近所の皆さんうるさくしてゴメンなさいね。でもお宅のケータイもうるさかっただろうし、そもそも命を守るためのアレなんでどうか許して下さいね。と心の中で2,3の詫びにもならぬような言葉を傍白する。
前回このサウンドを聴いたのはいつだったか忘れてしまったし、出来れば思い出さずにおきたい、むしろもうこの先ずっと聴かずに安らかに健やかに暮らしたい。そんなささやかな願いを胸に抱きながらおうちに帰宅。
おうちのマンションもすっかり静かなものでした。
エレベーターが停まる程度にはね。
そんなわけで疲れた身体を引きずってえっちらおっちら階段を昇らなければいけない羽目に。
命を拾った代償と考えれば安いものではありますが。
本日はさる企画に参加し、なんと実に数年ぶり?10数年ぶり?にガッツリ身体を動かす機会を得ました。
普段は発する言葉の数よりもキーボードをタイプする数の方が圧倒的に多く、位置エネルギーの大きさに関しては他の追随を許さないチェシャさん。
早くも明日以降の激甚な筋肉痛の片鱗が漂い始めて来ています。
花瓶はガーベラとスプレーマム。
秋色!